第5回日本障がい者スポーツ健康科学看護学会学術集会
閉会の挨拶
第5回学術集会長
堤 梨恵
2023年6月25日、日本パラスポーツ看護学会第5回学術集会は、「パラスポーツと看護 ―共生社会の実現―」をテーマに、大阪市長居障がい者センター並びにオンラインWebにて開催いたしました。
当日は、遠方より多くの方にお越しいただきました。田島先生文博先生からは、パラスポーツ支援には、看護が必要だという心強いお言葉を基調講演でいただきました。次に、教育講演では、現役のパラ陸上選手である伊藤先生より、当事者ならではの視点で、「私は自らパラスポーツを勧めない、やりたい人がやれば良い」と考えており、それがパラスポーツに対する真摯な向かい方だと教えていただきました。障がいの有無に関わらず、今を一生懸命生きることが大切だということに改めて気づいたご講演でした。
また、シンポジウムでは、パラ柔道選手の松本先生、パラ・パワーリフティング選手の西崎先生、当事者でありご自身もパラアスリートである安田先生から、「パラスポーツを続ける理由」というテーマでお話いただきました。今回の学術集会の大きな特徴は、看護職のみならず、これからどんなスポーツをやってみようかと考えている当事者とそのご家族、大阪市長居障がい者スポーツセンターの利用者、そして、その活動を義肢作成といったテクニカルな面から支援している方々のご参加でした。ディスカッションは大いに盛り上がり、このような機会が多くあれば共生社会に一歩近づくのではないかと、肌で体感できる機会でした。あきらめずに様々なことに挑戦することの大切さを実感し、沢山の勇気をいただきました。
なお、今回は初めて、会場にてチェアスキー等のパラスポーツ体験会を実施いたしました。当日は、学術集会参加者以外に、大阪市長居障がい者スポーツセンター利用者や看護学生が体験会に参加しました。パラスポーツを知っていただく良い機会になり、この体験会もまた、共生社会の実現につながるのではないかと考えております。
最後に、第5回学術集会を開催するに当たり、多くの皆様にご協力をいただきました。遠方のため、前日よりご宿泊の上、ご参加いただきました皆様、今回、初めてご参加いただいた皆様、パラスポーツ体験会を運営いただきました神奈川リハビリテーション病院の皆様、会場をご提供くださいました大阪市長居障がい者スポーツセンターの野々村様、車いす展示(パラスポーツ用)をお引きうけくださいました(株)オーエックスの皆様、前日遅くまで会場設営にご協力いただいた皆様、当日ボランティアを引き受けてくださった学生の皆様、ご後援いただきました公益社団法人日本パラスポーツ協会様に改めて御礼を申し上げます。
来年度は2024年6月22日(土)に福島県にて現地開催いたします。たくさんの方々にご参加いただきますようお願い申し上げます。